先日テレビできれる子どもの特集をしていました。

様々な要因はあると思いますが、親の対応によって随分と変わる、

そんな印象でした。

うちの子どもたちは反抗期もとっくに過ぎ、長男はすでに社会人ですが

その長男が小学1年生だったころの教頭先生の話をふと思い出しました。


保護者集会の開始前の待ち時間に

いろんな話をしてくださるお話上手の教頭先生でした。

ある時、

「お母さん、お子さんを叱った後ってどうしてますか?

叱られてお子さんが泣いてしまった時はどう対応していますか?」

と質問を投げかけられました。

そして

「泣いてもほうっておくお母さんは?」

「すぐに、泣かなくてもわかればいいのよ、叱ってごめんね、と優しく接してあげるお母さんは?」

と2択で挙手をする感じになると、圧倒的に優しいお母さんが多かったのです。

私も一人目の子育て最中、どれが正解??なんて優等生のお母さんになりたくて

後者に手を挙げたような記憶があります。


すると、教頭先生は、

「実はね、泣いているお子さんは放っておいた方がいいんですよ」と

笑顔で話をされました。

叱り方がどうこうって話はここではおいておいて…

真意は、いつもお母さんが手助けしてあげるのではなく、

子ども自身が自分でクールダウンすることを体験しなくてはいけない、

そんなお話で、当時は目からウロコでした


思えば自分も子ども時代、親に叱られると、ひとりすねて泣いていたり、

プチ家出?で家を出て行って、もう帰らないぞ!心配させてやる!みたいに

近所を歩いたりしているうちに、気持ちがだんだん落ち着いてきて

自分で復活? 「ごめんなさい」がいえたり、

何事もなかったかのように、いつもの自分に何気なく戻ったりしていたなぁと。





先日のテレビ番組では、

きれることは悪いことじゃない。 理由があって感情が爆発したのだから。

イライラする感情は誰にでもあるもの、それをお母さんが否定してはいけない、

本人もイライラしたくてイライラするわけではないのだから。

そんな話をしていました。

そして切れたら自分でクールダウンできる状態にしてあげると良いと。

イライラしてものにあたるのはやめて!という前に

どうしたの?と原因を聞いてあげ、共感することの方が大事。

そのあとはイライラが静まるまでひとりにしてあげる。

お母さんだってイライラしているときはそれを注意されたらさらに嫌な気分でしょ?

まったくその通り

また、泣くのをやめるきっかけが、いつもお母さんの優しい言葉だとしたら

それがないと自分では立ち直れなくなっちゃうかも?

「いつまで泣いてるの!」と叱るのもどうかなぁ。

泣きたいだけ泣けば自分で復活するはずだから。

泣くのは悪いことだ、自分はダメな子だと思い込ませるだけなのかも。

それでもお母さんの助けが来ないと立ち直れない。

見放された気持ちになってますます涙が止まらない?



そしてここ数年、ケアエクササイズで学んできたことを思い返しました。

自分の感情と向きあうことの大切さ。

それが自分を大事にすることにつながっていることだと。

マイナスの感情を持つことはダメなことではない。

どうしてそうなったのかな? じゃあどうすればいいのかな?と考えればよい。

或いはほうっておいていいことなら深く考えなくてもよい。

なんだ、これって自分でクールダウン&客観視をしているんですよね。

自分がいい人でありたいとか、子どもが優等生であってほしいとか

表面だけ整えようとしても、感情と一致していなければひずみが出るのは当たり前。


テレビで取材を受けていた男の子も、

本当はきれる自分はいやだ、暴力は振るわない方がいい、

そう自己分析をしていました。

そうしたくないのに、してしまう。 感情が暴発してしまう。

自分で感情のコントロールができなくなってしまっているのでした。

結果だけを見て注意され続けたら、負の連鎖が止まらなかったことでしょう。


そして同時に思ったこと。

きれることで感情表現をするお子さんもいれば

うちに思いを閉じ込めて、感じないように感じないようにしているお子さんもいるのだろうと。

うーん、子どもだけじゃなくて大人もですね。

自分の感情を見ないようにしている大人は多いです。

自分がそうしてきたからと、子どもにそれを求めてはいけませんよね?


深い深い問題だと思います。

まずは感情としっかりと向き合うことからなのかな…

現象ではなく、その根本にあるものと。



Miwako