受験シーズンですね。

自分の高校受験を振り返ると
第一志望に落ちてしまい、
予定外の私立に通うことになり、
なんだか目の前がくらーくぼやけた感じで
胃のあたりも、ふわふわとして
気持ちが定まらないような
とっても不安定な感じだったのを
思い出します。

それでもこの道しかないのだからと
東京に行けるしね~なんて
あまり気にしていないようにふるまっていたかなぁ。

初めての挫折感もあったけれど
結局は、ものすごーく勉強したわけでないし
実力だったなと思ったり。
割り切った気持ちになろうとしていました。

両親も文句も愚痴も慰めも言わず
自然体でふつうにしてくれていたこと。
あとからとても感謝しました。

それでも、夏休みくらいまでは本調子でなく
自分が空回りしていて、
頭が痛いからと学校を休んだり
林間学校も行く気にならず、欠席したり。
そんなこんなに、母は心配したそぶりもせず
「頭が痛いならしかたないわね」と
欠席の電話をかけてくれていました。

もしかすると、難しい年頃だし…と
気をつかってくれていたのかもしれないし、
母のタイプとしては深く考えずに
単にあるがままを受け入れてくれてたのかな。
そんなことをあとから
言っていたような記憶もあります。

もっともそんなにしょっちゅう休んだわけでなく
もともと疲れやすいタイプで
乗り物酔いもするし、
電車通学にも慣れなかったということもあり。

1年生の後半には
場違いの場所にいるという感覚は減っていき、
高校もそれなりに楽しめるようになり
部活も遊びもたくさん経験。
お友達の輪も広がりました。
ないしょでバイトもしていたし、
英語にますます興味がわいて
地元の英会話の先生の所に通ったり。

英会話の楽しさをたくさん教わり
発音もどんどん良くなっていったり
外国の方のお家に遊びにいかせてもらったり
世界が広がっていきました。

短大とかではなく、
実用英語を身につけたいと
専門学校に通う!と決めたころ…

その先生が引っ越されるときお手紙をくださり、
私が今、こんなに成長しているのは
受験に失敗したことを乗り越えたから、
それで強くなったのだと思うと
そんな言葉をくださいました。

その時、はじめて、
そうなの?私って挫折を乗り越えたの?って、
多少、敗者の気分でいたのに
そうか、そんな見方もあるんだと
失敗をプラスに変えたってことなのかなと。
だったら、この経験も無駄じゃなかったんだなぁと
思うことができたのでした。
なんだか嬉しいと同時に新鮮な驚きでした。

だから、受験に臨む自分の子どもにも生徒にも
自分の失敗談を話したりして、
そりゃあ、希望どおりが一番うれしいに違いないけれど
万が一のことがあったとしても
それでも道は開かれていくし、
新しい出会いもあるし、
なるようになっていくから心配はいらないよと
伝えることができています。

自分の気持ちの持ち方次第。
すべては用意されていた、
経験すべき試練だったのかもしれないし。

過去や未来にこだわらず、
今を充実させればいいんですよね。

もっとも気持ちが落ちているときには
なかなか切り替えはできませんけれど。

ワタシって、けっこう偉かったかな?
がんばったよねーと、
今まではそんな風に思っていました。

でも、最近、まさに今日!
さらに気づいたこと!

実は、公立・私立どちらにすすんでも
中学の時やっていた吹奏楽部はなくて
継続はあきらめていたのですが

なんとなんと、進学先の私立高校で
校長先生の鶴の一声、
ブラスバンド部を結成します!ということで
顧問になる先生をスカウト?採用し、
私が入った年に部が新設されたのでした。

新設2年目でコンクール金賞の実績。
部活動も充実でした。

これは単なる偶然、
それ以上には考えたこともなかったのですが

もしかして、もしかして
神様からのプレゼントだったのかも?

希望を失いかけていた私に
ここにも居場所があるよ、と
場を整えてくださっていたのでは?

そう思ったら
何十年もたっているのに、
感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

あの時、部活動で発散する場がなかったら
もっと長い間落ち込んでいたかもしれない。

ひとりの力じゃないんだな。
周りの人が見守ってくれたことに加え
きっと神様まで応援してくれていたんだと
今頃気づいたわけです。

ありがたいですね。
ひとりじゃないって。

それを心から信じていたら
勇気がわいてきますね。

どうしてこんなことを今頃思ったかと言うと
母校の記事を見つけたから。

毎朝5分間、無心で赤い糸を縫うという
運針の時間が今も続いているそうです。

始めは15cmくらいしか縫えないのが
卒業するころには2mを超えました。
すごい人は3m。

今は「禅」の時間的扱いらしいです…

あの経験もよかったなぁと
(当時はルーティーンでやっていたものの…)
当時の、校長先生を思い浮かべていました。
とても前向きで話も楽しく人気者の先生でした。
バレンタインにはチョコレートが届くほど!

道にそれたような気分で入学したのに
多くの学びをさせていただいていたことに
今さらながら感謝です。

それにしても、あぁ神様。
自分一人で頑張ってきた気になってましたが
そうではありませんでした。

心から感謝いたします。


miwako