絵画セラピー・ケアエクサ

「自分自身」を生きるために! by絵の通訳者

May 2017

自分の枠を越えるとき

年明けから、モニター企画にご参加いただきありがとうございます。

私たちにとっても、実践から学ぶことはとても多く、

ご協力に感謝しております。



セラピーを学ぶ

ということは、相手をしり、かつ、自分を知ることにつながります。

相手に対する思いを通して、

そう思う自分を再確認していくからです。

そうして学んでいくと、ある時に ふっと気が付くのです。

「この枠は、だれが私にはめたんだろう」 と。

そこからは、いろんな経験から自分を作るため、守るために

知らず知らずに作っていた 「自分の枠」 から

自分の力で出るために、あがいて、もがいて。

でも、そのうちに やはり ふっと気が付くのです。

「あ、枠が広がっている」 と。

そして、広げる、越える作業は 実は一人では難しい。

他者とのかかわりの中で、積み重なっていくことが溜まって

枠を押し広げていくのです。

いま、きっと私以外の仲間も、「枠を越えた自分」を

感じ始めているところだと思います。

そして、それぞれにより確かな思いを新たにしています。

同じ仲間の目線からみても、

それは とても輝いて見えています。

youko

隠れていた思い

先日、友人宅でのことでした。

おしゃべりに夢中になっていたら
途中でわんちゃんが登場~
すごくかわいくて、甘えん坊。
みんなに、ぴょんっと足をかけて
抱っこしてもらいたそうにしています。

そのわんちゃんが、私のもとに来たとき、
なでなでして、さぁ、抱っこしようかと
身体が動いた瞬間、

心がぎゅっと締め付けられて
「あ、だっこはできないかも…」と、
泣きそうになってしまったのでした。

我が家の愛犬、コーギーが
13歳で亡くなってから、もう1年。
悲しくて悲しくて…という気持ちは
もう忘れていたはずでした。

それなのに、悲しい、切ないという感情が
一瞬にしてよみがえってきて
今、ほかのワンちゃんを抱っこしたら
涙がとまらなくなりそうで、
それをぐっと抑えたのでした。

抱っこできなくてごめんね。
なんか思い出しちゃって。

それを言うのが精いっぱい。

頭で考えることと
心が感じることのギャップの大きさに
とてもとても驚きました。

本当に、予想外のできごと。

でもね、そんな心に気づくことができて
愛犬への思いを再確認できて
暖かい気持ちにも包まれました。

別に、悲しい思いを
閉じ込めてきたわけではないけれど。
忘れようと特別に努力したわけじゃないけれど。

まだそんな気持ちが残っていた。
というか、悲しい気持ちは
ずっとずっともっていていいんだな。
だって悲しい出来事だったのだもの。
そんな単純なことに気づいたり。


人は大人になるほど
頭で考えて解釈をつけて
ものごとを解決していますよね。

高齢だったし、
治療方法もなかったし、
仕方なかったよね。
でも最後まで一緒にいられてよかった。
お見送りも家族そろったし。

そんなことを自分に言い聞かせていたけれど
「悲しい。寂しい。」という感情には
なんの説明もいらなかったんだなぁ。

悲しいよね。
それだけを自分が受け止めればいいんだなと
今さらながらに思いました。

感じたことをそのまま受け止める。
自分の思いを大事にする。
理由や説明はいらないですね。

今回のできごとでようやく
「悲しい」という思いだけを
シンプルに感じることができました。

この話を風に揺れる木々の勉強会でしていたら
またまた涙があふれてきて…

やっぱり忙しさに追われて
悲しい涙も流し切れていなかったのかな。

涙で浄化されたような気持ちです。

心って不思議ですね。